第6章 練習試合と彼女
そして練習試合当日。
私と榛名が手伝いつつもある程度の準備を終えると誠凛さんが来ていた。
見たところ相手の監督さんは相当お怒りのよう。
「って、あれ。黄瀬君なんでユニ着てんの?確か今日は監督出さないって言ってたよ」
「えぇ?!」
「そうだぞ。お前を出したら試合にもならなくなる可能性があるだろう」
いやいやそれは言い過ぎでは。
そうフォローを入れる前にさっさと黄瀬君は誠凛さんを挑発していた。頭痛が痛い。
「オイ。誠凛のみなさんを更衣室へご案内しろ!」
返事をしてから案内をしようとしていたら前に会ったあの影の薄い、黒子君、が黄瀬君に何かを話していたようだ。
相手の監督さんもウチの監督へと出来るだけ顔に出さないようにしつつ相当お怒りのようでして。
「あの…スイマセン。調整とかそーゆーのはちょっとムリかと…」
「そんなヨユーはすぐなくなると思いますよ」
黒子君とカントクさんの声が重なった。
うちの監督も相当煽られたようだしこれは黄瀬君の投入もあり得そうだ。