第4章 新学年と彼女
三上 梓と伊吹 桜。
全くタイプの違う新しい1年生の1軍マネージャー。
「で、そいつら選んだ本当の理由はなんだよ」
現在私は笠松と森山君と小堀と榛名と5人でマジバに来ていました。
「さっき言った通りだよ、疑り深いね笠松は」
周りはけっこう食べてるけど私はただみんなからポテトをつまんでる。
別に彼女たちを選んだのは特にそんなに深い意味はない。
「即戦力の三上さんは必要だったんだよ。私ら3年は今年で引退。
2年に女子マネはいない。となったら今後のこと考えて確実に仕事が出来る女子が必要だったわけ。
あの子は多分ちょっと教えたら何でもできるタイプだね。
んで、対照的に伊吹さん。あの子は駄目だろうねぇきっと」
「えっ、なんか学校で言ったことと別じゃない?可能性がーとかって」
無論、それもあるけど。
それは半分ぐらいあの場を収めて私がさっさと動けるようにするための建前、方便でしかない。
「中学までは文化部だった子が急に運動部のマネージャーっていうのが気になってねー。
多分、私らとは違う視点で物を見てくれるよ。
色々な側面から物事を捉えるのは重要でしょ?」
それに何も知らない方が叩き込み…教え甲斐があるというもの。
チームの為に7割個人的に3割で彼女をいれた。
「小咲、ナゲット食べるか?」
「わ、いただきまーす!小堀ありがと~」
箱の中から一つ取って口に含む。それからまだ理由があった。
まぁこっちは本当に下らないんだけど。
「2人だけだったんだよね。名前に同じ部首使ってる子」
梓と桜。なんだかいいコンビになりそうだなと思った。
ズッとシェイクをすすってそう言うと盛大な溜息を吐かれてアホかと言われた。
「外暗くなってきたし私は先に帰るよ」
「おー、気を付けてなー」
「あれ、小咲の家の方って森山だけだよな。送ってけ」
「言われなくてもそのつもりだってば。いこっか、小咲さん」
「うん。それじゃあねー」
3人はまだ食べるそうだ。食べる子は育つ…のだろう。