第4章 新学年と彼女
私がジャージに着替えて戻るとマネージャー志望の女子が20名程度まで減っていた。
「凄い減りましたね、何で減らしたんですか?」
「おぉ、小咲か。黄瀬に反応した奴らを黄瀬で帰した」
「あー…やっぱり……」
監督はまぁ正直あまりいい人とは言えないタイプだ。
でも指導者としては凄いと思う。
昔全日本の背番号を背負ってたとかなんとか。
…でも何故こんなにボールみたいな体系になったのかは解せない。
「これであとはお前に頼む。とりあえずは一次審査ということだ」
「えっ私でいいんですか?」
「仮に榛名にでも任せたら全員通す馬鹿をやる」
「…分かりました。二次審査以降は私の独断と偏見モロモロ考慮でいきます」
頷いてそのまま選手の練習へ行った監督を見送ったあとで私はざわめく1年女子の前に進み出て手を叩く。
「初めまして、こんにちわ。1軍マネージャー3年の小咲 春乃です。
秋田から去年引っ越してきてこっち来てまだ1年も経ってない私も皆さんと同じ新人同然です。
まー見ての通り男子の方がマネージャーの方が多くて主体となってます。仕事のできない人間は必要ありません」
あくまで笑顔で。はっきりした口調でそう告げると何人かは青ざめた顔をした。
「はっきり言って私以外の女子マネは1軍にいないかもしれないレベルです。
男が苦手だの駄目だの言う人はまずお帰り下さい」
少々キツい物言いに耐えられないと基本的にデリカシーにかける男の集団で活動するのはきついだろう。
あと1軍の女子マネは実際私しかいないらしい。
他の下心ありそうな女子部員は殆ど2,3軍と聞いたし。
…残ったのは、14人。
「思ったより残りましたね。じゃ、一部の仕事をしてもらいましょう。
まずは皆さん自分の好きに動いてください。私はそれを見ています。
他のマネージャーはいつも通りに活動しているので」
働けマネージャー候補。