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【黒バス】青春微炭酸

第4章 新学年と彼女


多分勝手にドキドキし始めたのは私だ。
少しだけまた恋人同士というのを意識する。

「んー、今日ので酔うってことは登校時間変えよっか」
「うん、そうするよ」
「今日のが7時半のだからー、7時ぐらいにする?
あ、待ってごめん。明日から朝練入るんだった…」
「朝練…、マネジは任意だよね。じゃあ行こうかな。それで一緒に行こうよ」

これから夏まで。3年はこれが最後。
恋人同士だけどデートとかそう言うのはまず無理だろう。
だとしたら、ちょっとの時間でも一緒に居たい。

「ほんとに?朝早いけど大丈夫?」
「うん、平気」

多分これは私なりの言い訳とか、謝罪とか、そういうの。
私は別に彼に恋愛感情があるわけではない。
それでもいいならいいよ、と。そう言った。
だからこの提案は彼のためだった。

「6時半ぐらいだけど平気?」
「大丈夫、起きる時間早くするだけだし」
「なら今日と同じとこで待ってるよ」

私と付き合ってくれる、彼への罪滅ぼしなのかもしれない。
私の中には恋愛感情をもって好きになろうとしている自分がいる。
でもそんなの、ある意味義務感を感じてるから。
だからこうやって割り切っている自分がいる。

「まだ具合悪い?」
「え?ううん、平気だよ。暗い顔してた?」
「ちょっとだけね」
「考え事してただけ、大丈夫」

次の時間から授業に出る、そう告げるとホッとした顔をしていた。
もしかしたらこれも精神的ストレスの一つかもしれないけど
私は経験しておきたいんだと思う。
大人になる前に、一度くらいは恋愛を。
ちゃんと、恋、という感覚をつかみたいんだと思う。
自分の好奇心で人を利用してる様なもの。ひどい女だと思う。
でもそれが私だ。今更変えようもない。
17年間で形成されたものをリセットするだなんて不可能だ。

「鐘鳴ったね。いこっか」
「うん、わざわざありがとう。由孝君」

私にとって今の状態は"恋人ごっこ"でしかない。
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