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【黒バス】青春微炭酸

第4章 新学年と彼女


気持ち悪いのを隠して学校に着くと、また人が多くてさらに気持ち悪くなる。

「春乃、大丈夫?顔色悪いよ?」

学年が上がってからもクラスは殆ど変らなかった。
小堀君が同じクラスになったぐらいか。

「よった…」

奈穂ちゃんが背中をさすってくれる。
鳴ちゃんは少し苦笑を浮かべながら保健室行けば?と言ってくれた。

「ほら、これから始業式でまた人多いし。あたしらから先生に言っとくからさ」
「その方がいいと思うな~」
「うー…学校来た意味っしょ……行ってくる…」
「一人で平気ー?」
「んー、多分だいじょぶー」

口元を手で抑えて少しフラつきながら保健室へと向かう。
確かに学校には前より生徒が溢れている。
…もしかして私、下手すると学校内で酔うのではないか。

「あえ(れ)!先輩、どうしたんですか!」
「顔色悪いですね」

保健室のある2階に来ると早川君と中村君にばったりと会う。
どうやら今学校に着いたようだ。

「人で酔った、保健室で休むだけ」
「え、大丈夫ですか」
「休めば治るよ、酔っただけだから部活には行くし」

少し無理にでも笑顔を作ってまたね、とその場を去る。
正直もう歩くのが嫌だ。景色が動くだけで気持ちが悪い。
ノックをして失礼します、と中に入ると先生が居た。

「あら、えーっと…転校生の」
「小咲です、登校で人に酔って気持ち悪いんで酔い止め下さい…あとベッドも貸してくれますか…」
「えぇ、いいわよ。そこのベッドにかけてて」
「ありがとうございます」

先生から酔い止めを受け取ってそのまま今度は横になる。

「気分悪かったらここにバケツ置いとくから吐いていいわよ。
じゃ、先生は会議出てそのまま始業式出たりで保健室にいないけど…大丈夫?」
「平気です…、体調良くなったら戻ります」
「そう。あ、じゃあ後でメモ帳持ってくるからそこに出てった時間書いてくれる?」
「分かりました…」

先生はベッド横の机にメモ帳とペンを置くとおやすみと言ってカーテンを閉めた。

「きーもーちーわーるーいーーーー…」

目を瞑って横になる。
薬は効果が出るまで30分ぐらいかかる。
ここ最近疲れもたまっていたし、少しだけ変化もあった。
環境の変化というのに私は滅法弱いんだろう。
自分で自分のめんどくささに一つ溜息を吐いた。
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