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【黒バス】青春微炭酸

第4章 新学年と彼女


昨日で春休みと入学式も無事終わり今日から新学期。
学年も1つあがって高校3年です。

「よしっ」

うん。今日も大丈夫、そこそこ、それなりに可愛い。はず。
鏡を見て髪型を整えて小声で行ってきますと呟いた。
いつも通り家を出て鍵をかけて外へ出る。
まだまだ外へ出るのは怖いけど大分慣れてきた。
それでも思わず俯いてしまいながら歩くくせはちょっと抜けない。

「おはよ、春乃さん」
「へ?!」

その声で思わず顔をあげる。
昨日と同じようによんでくれたその声に少し驚きを隠せない。

「あ、え、おはようもり…じゃない、由孝君」
「びっくりした?」
「そりゃもう。なんでまた、」
「迎えに来たんだよ。どうせ一駅分ぐらいだったら走っても大した距離じゃないし」

えーと、とか、あー、とか、うーん、とか。
色々目の前で悩んだ素振りを見せた末に手を差し出された。

「あのさ、確認の意味も込めてなんだけど…、本当に付き合って、る、よね?あ、あの、そうだったら手、繋がない?」

それは私にとってはよく分からない質問だったけど。
迷わず手を取ると顔を真っ赤にして嬉しそうに笑った。

「これではぐれないな」
「うん、そうだね」

つられて同じように顔が赤くなる。
昨日私は、初めて恋人ができた。
別に森山由孝という彼に恋愛感情があるわけではない。
ほんの気まぐれの様なもので、まぁ嫌な女だと思う。

「通学時間の朝ってこんな混んでるんだね」
「うん。ほら、東京とかから来る人も居るから」
「なるほど…ちゃんと降りれるかな…」
「大丈夫、俺が居るから」

さりげなく壁になってくれてる彼を見上げて、今度は自発的に顔が赤くなる。
本人に自覚があるのかどうかは分からないけど整った顔立ちをしている彼にそう言ったことを真面目な顔で言われると正直困る。
少しでも赤くなった顔を隠そうと俯いていると、人の多さのせいもあったのか見事、酔った。
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