• テキストサイズ

【黒バス】青春微炭酸

第3章 俺と彼女


「私、少なくとも森山君のことは好きか嫌いかで言うなら好きだよ。
別に恋愛感情がないと付き合っちゃいけないなんてルールもないし」

「だから、付き合ってみようよ森山君。
これからよろしくね」

別に最初から彼女が俺に恋愛感情を抱いているとは思っていなかった。
それは何かを試すようなそんな軽い感じで、少し思い描いていたものとは違うけれど。

「俺の方こそよろしきゅ……よろしくお願いします」
「なんでそんなとこで噛んじゃうの」

彼女はくすくす上品に笑った。全くだしかも超恥ずかしい。

「あ、そろそろ帰ろうか。お母さん心配させちゃうし」
「そうだね。今日はありがとう、……由孝、くん?」
「いえいえ、どういたしまして。…春乃さん」
「ふふ、恋人みたい」
「いやさっき恋人になったんだけどね」

俺の下の名前を呼んだ彼女の顔は少し赤くなっていた。
…夕陽のせいだけではないことを、祈った。

「ねぇ、ルール決めない?」
「ルール?って?」
「ルールっていうか約束というか…まぁ、私たちが付き合ってること周りには秘密にしときたいな、と。
部活内恋愛禁止とか言われたら嫌だし」

それは納得の行く理由だ。バレたら辞めなくてはいけなくなる。
そしてもう1つ、と人差し指を立てた。

「2人でいる時くらいは名前で呼び合う。その、さっきみたいに」
「春乃さむぐっ」
「無暗に呼ばない恥ずかしい」
「恥ずかしがる姿も可愛いよ」
「うるさい」

顔を逸らす春乃はとても可愛くて。ちょっと拗ねてるっぽい。可愛い。

「それじゃ、また明日学校でね」

手を振って電車を降りるその後姿を見てから、家に帰るまで。
正直あまり記憶がなかった。
/ 44ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp