第2章 部活中の彼女
そう思って何日が経っているんだろう。
多分、2週間ちょいぐらい。
キセキの世代の黄瀬涼太を含めた1年生が入ってきた。
「あ、あの時の!えへへ、また会えたっすね!
っていうか、マネージャーだったんだ!」
「うん。久し振り、マネージャーでした」
しかも。早速仲良いみたいで。
「ねね、先輩っ!名前!名前は?」
「小咲 春乃。ちょっと前に秋田から来たの」
「へー!秋田か、いいなぁ。ね、春乃ちゃんは、」
「上下関係も知らないの?」
それは多分、初めて聞いた冷やかな声だった。
表情も正直怖い。これはきっと怒らせちゃいけないタイプの。
「私、君の名前は知ってるけどモデルっていうのは昨日知ったし、
かっこいいとは思うけどさ。なんだろう、調子乗るなよ?」
「・・・は、はい。ごめんなさい・・・」
「うん。分かればよろしい」
多分、俺以外にも絶対思ったと思う。逆らっちゃいけないと。怒らせてはいけないと。
そのあとは案外ケロッとして話していた。
上下関係には厳しいらしい。
「怒ってても可愛いけどなぁ…」
「森山先輩気持ち悪いです」
「おい!」
「中村、もっと言ってやれ」
「笠松!小堀も頷くな!!」
仕方ないだろ、可愛いんだから!
もう一度彼女の方を見ると、マネージャーたちと話していた。
…楽しそうだし、良しとしよう。