第4章 みっかめ②
『いないね。』
「ですね。」
『今日非番だと思ったんだけどなぁ…』
アンコの家の前で待ってみるが、部屋の中から人の気配を感じない。今は居ないようだ。
この気持ちを吐き出したくて、誰かと一緒にいたかった私はがっくりする。
自分の家はもう無いような気がしてたから。
少しだけ、見捨てられた猫のような気持ちだ。
「あの、さん。この後時間ありますか?」
『アンコに会うつもりだったけどいなかったから、大丈夫だよ。』
「なら、俺と少し話しません?久しぶりですし、時間つぶしに。」
内緒、という風に口に人差し指をもっていったアズミくんは諜報部の中でも女子人気が高いことを伺わせる絵になる姿だった。
『…じゃあ少しだけ。』
「ありがとうございます。俺ずっとさんと話したかったんです。」
そのまま公園まで移動すると、ベンチで2人腰掛ける。
公園内の人はまばらで、いつも遊んでる子供たちもまだアカデミーに行っているようだった。