第4章 みっかめ②
『なんか、ホントに久しぶりだね。』
「そうですね。」
『アズミくんはさ、私と一緒に諜報部隊を辞めてから今まで何してたの?』
「俺ですか?俺は、まぁ事務職みたいな事やってたんですけどクビになりまして。」
『えっ?アズミくんが?』
「はい。」
『あの優秀なアズミくんが?』
「ふふっはい。その優秀なアズミくんがです。」
『何したの?』
「そこは秘密で。少し言うと、上司の逆鱗に触れましてね。二度と近寄るなと脅されたんです。」
『えぇー何それ…本当に何したの?すごく気になるんだけど。アズミくん任務も完璧だし、人怒らせるような事しないでしょ。』
「確かに普段はそんな事しないですけど、俺もどうしても譲れなくて。」
『そうなんだ。』
本人に言う気は無いようだ。
嫌な話のはずなのにアズミくんは至極たのしそうで、魂の抜けていた私も引っ張られるように話が出来た。
「あの、さん。」
『なに?』
「6代目の事で色々大変な時に言うのもアレなんですけど…俺貴方の事が好きです。」
『ず、随分唐突だね。』
「すみません。だけど俺、ずっと一緒に任務してた頃から好きで…どうしようもなく好きで。いつか言えたらと思ってたんですけど言う前にさん結婚しちゃって。」
『諜報部隊も辞めちゃってたしね。気持ちはありがたいんだけど…』
「おっ、俺の気持ちを伝えたかっただけなので!…こんな時に言うつもり無かったんですけど気持ちが溢れちゃって。」
横目で見る彼の顔は耳まで真っ赤にして緊張のあまり目が泳いでいた。
女としての自信が無くなってきてたから、心にその誠実な好きという気持ちがうれしい。
カカシもそう見てくれたら良かったのに。
そう見られたら良かったのに。
『ごめんね。』
「いえ!分かってましたから…ただ覚えておいて欲しいです。俺がさんを好きだってこと。今でもです。」
『ありがとう。私、今自分に自信なくてさ。すごく嬉しい…気持ちには応えてあげられないけど。』
アズミくんに笑顔を向けると、彼もまた微笑んで返してくれた。
「さん!!」
前の方からシカマルくんが走ってきた。随分焦ってる。なにかあったんだろうか?
「じゃあ、俺はこれで。」
アズミくんは瞬身の術で入れ替わるように消えた。