第6章 予選、野望、そして仲間
戦いを終えたピジョットとサンダースは、あたたかな砂浜の上、海風を浴びて心地良さそう。
「まず、初手はあれでいい。ナナのサンダースは特にすばやさが高いから、しょっぱなから相手を翻弄してこちらのペースに巻き込めばいい」
「エレキフィールドはどうだった?」
「もちろんよかったぜ」
私たちが話すすぐ側では、サンダースが恐る恐るピジョットに近づき、ちょっかいを出そうと前足を上げている。ピジョットは、そんなサンダースを横目に、様子を伺っている。
(サンダース、ピジョットと仲良くなりたいのかな)
話しながら、かわいい2匹のやり取りに釘付けになる。
ピジョットは気になっている素振りを見せるものの、知らん顔で海の方を眺めている。
(がんばれ!サンダース!)
「——だから、確実に攻撃を当てるためにも、あのタイミングは一歩引いた方がよかったかもな」
「うんうん」
ピジョットに無視されてサンダースは悲しそう。
(違うんだよサンダース!ピジョットはプライドが高いから自分からは行けないの!もうちょい近寄って——)
「つーわけで、今オレが話したわざ構成はどうだ?」
「え?あぁ、うんっ、強そう!」
「よし。なら、今のを踏まえて勝負の流れ考えてみろ」
「ながれ?ええと、サンダースはすばやさが高いから……エレキフィールドで…隙を狙って……」
グリーンが半眼で私を睨む。
「……ごめん、サンダースとピジョットが友情芽生えかけてて気になっちゃって…」
「いいかげんな返事をしたバツとして、レポート提出な」
「そんなぁ!」
と、狼狽えた隙に肩を抱かれ至近距離で見つめられる。急なときめきに心臓がバクバクだ。
「それが嫌なら、別の方法で償ってもらおうか?」
「レポート800字以上1200字未満で提出します」
「ハハハッ!そいつは楽しみだな!」