第17章 ペパーミントラブ
まぶたを閉じる。ドキドキは収まらないけど、離れるのは寂しい。かといって、くっついてると眠れないというジレンマ。
しばらく眠ることができず、呼吸の音に耳をすませる。最終的に、グリーンに背中を向ける体勢に戻ると気持ちが少し落ち着いた。
グリーンの手をきゅっと握り締め、目を瞑る。
「…寝れないのか?」
耳元で優しい声がした。
「起きてたの?」
「今ので起きた」
「…ごめん」
背中を抱き寄せられる。
「こっちこいよ」
「でも…」
服の上から胸に触れられ、思わずぴくりと震える。胸に手のひらを押し当てながら、グリーンがフッと小さく笑うのが聞こえた。鼓動が高鳴っているのがバレて、顔が熱くなる。
「これで眠れるのかよ?」
「…うん」
「ったく、がまんしないで言えばいいのに」
嘘をつくも、バレバレすぎてもはや指摘すらされない。
肩を引かれ、くるりと仰向けのグリーンに乗っけられてしまった。
「悪かったよ。こんないい男が目の前にいたら、そりゃあ眠れないよな」
悔しいけど図星なので、余裕たっぷりな笑顔を前に睨みつけることしかできない。
「下ろして…グリーン疲れてるでしょ」
「あいにく誰かさんに起こされて、すっかり目が覚めたんだよな」
腰に手が回され、ギクリとして背筋を反らす。
「やだッ、だめ!」
「まだなにもしてねえけど?」
「そうじゃなくて、重くてグリーンの内臓が…!」
そして、食べすぎたお腹を見られたくない、引かれたくない。
「内臓って、まだ言ってんのかよ、それ」
鼻で笑いながら、私の後頭部に手を添えて引き寄せる。
「さっきから、なにを気にしてんのかしらねーけど」
蕩けるようなキスが落とされ、歯磨き粉のミントフレーバーが甘い時間へと私を誘う。
「しょうがないから、寝かしつけてやるよ」