第6章 予選、野望、そして仲間
「10まんボルト!」
穏やかな海には似つかわしくない雷撃音が轟き、浜辺の空気を震わせた。
「させるかよ!」
間一髪のところでピジョットは攻撃を避ける。高速で空に昇り、急降下してサンダースに鋼のような翼で攻撃を仕掛けたところで、
「そこまでだ!ピジョット!」
グリーンが戦闘終了の合図をし、ピジョットは速度を落とし、ふわりと着地した。
「サンダース、今日はここまで」
サンダースは少し悔しそうに毛並をふるふるした。
有利属性なのに敵わない。こう毎回負けが続くと、トレーナーとしての自信が萎れてゆく。
「やりぃ!さっすがオレ様!」
グリーンは腰に手を当てて自信に満ちた顔で笑った。
「サンダースは動けてたのに。私の指示が遅かったかな」
「反省はそこに座ってからな」
「…はーい」
トレーニング後、浜辺のベンチで特訓内容を振り返るのが私たちの日課になっていた。