第5章 ※Ever green!④
薄暗い部屋、間接照明に照らされたグリーンは、それだけで妙に色っぽい。私を組み敷いて、余裕たっぷりな視線を絡みつけてくる。
「今日のオレ様、大活躍だったよな」
「うん。ブレイク団ボコボコだったね」
「な。さすがオレだろ?」
「レッドには負けてたけど」
「一言余計だな」
レッドのこととなると、分かりやすく感情を出すのがグリーンらしくて、クスリと笑う。
一瞬、気が緩んだその隙をグリーンは許してくれなかった。
「こんな状況なのに余裕そうじゃん?」
「余裕なん……んっ」
言い返す間も与えられず唇を奪われる。顔を逸らしてもすぐに捕まってしまい、一度離れたと思った瞬間、今度は少し深く口付けられる。唇がゆっくり離れると、また交渉が始まった。
「頑張った分、それに見合う報酬を貰わないとだよな」
動揺を抑え込むように呼吸を整えながら、平然を装い答える。
「もう貰ったでしょ。こんなにいい部屋泊まらせてもらって」
「ナナからはまだ貰ってないな」
髪をそっと撫でられる。その手はそのまま下に下がり、頬を通過して首筋をなぞる。
それが何を暗に意味するのか、鈍い私でもさすがに分かる。分かるけど、気づかないフリをして目を逸らす。
「夜のスイートルームに、初々しい恋人たちがふたりきり。そんなシチュエーションでふたりはどうなると思う。ナナ」