第5章 ※Ever green!④
「なんなんだこのたつまきは!?バケモンだぁ!!」
「攻撃する隙がねェッ!」
「規格外だろこれ!」
清々しいほどボコボコにされるブレイク団が、だんだんと気の毒になってきた。
と、その中に1匹、震えているエネコを見つけた。
戦い慣れしておらず、命令にも背き、懐いてもいない。
まさかあの子——
「グリーン!あのエネコは狙わないで!」
「ああ」
グリーンは私に目配せすると、ブレイク団に聞こえないよう声を潜める。
「あいつは恐らくさっき盗まれたポケモンだ。攻撃を当てるフリして直前で軌道を逸らすから、ナナはその隙にエネコを救助してやってくれ」
「わかった!サンダース!」
サンダースを呼び出すと、眠っていたのか丸まっている。
「ダー…」
「わぁ〜寝てたのにごめん!でもお願い力を貸して!」
寝ぼけ眼だったサンダースだったけど、眼前で繰り広げられている激しい戦闘に、すぐに飛び起きて毛をを逆立てた。
「おいおい。威勢のいいこと言っておきながら女に頼るのか!まぼろしのチャンピオンさん!」
「…は?」
グリーンが声の主へ鋭い双眸を向ける。