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【ポケモン】パシオで恋して

第5章 ※Ever green!④



「返して!!あたしのポケモン!!だれか!!」

女の人の叫び声がした方向から、人影が3つ現れ、私たちの横を走り去ってゆく。

3人とも、左右白黒の目元が隠れるお揃いのマスクをつけている。

「ブレイク団だ!」

「ブレイク団って?」

「パシオでわるだくみする連中だ!ピジョット!」

ピジョットは瞬時にグリーンの意思を察して、路地裏へ逃げようとしたブレイク団の先回りをして立ち塞がった。

「おぉ!これはラッキー!!ついでにこいつもゲットしましょう!!」

3人のうちのひとり——スーツに身を包む長身の男性が嬉々とした声をあげ、スリーパーをボールから出した。

「オレの相棒をどうするって?」

背後から響く声に3人が振り返る。

「てっテメーは!?」

腕組みをし、仁王立ちしたグリーンは、3人に威圧的な眼差しを向け、不敵な笑みをたたえている。街灯の逆光により、グリーンのシルエットが不気味に浮かび上がり、まるでこの場が自分の支配する世界であるかのように、どっしりと構えている。

グリーンの存在を確認した途端、ブレイク団はアーボに睨まれたコラッタのように息を呑み、動きを止めて狼狽える。

「ヤバいぞ!?逃げるか?」

「いや、かの有名なグリーンのポケモンを奪えたら儲けもんだ!3人がかりならいける!」

屈強な体つきの男と、スカジャンを着た柄の悪い男も、ワルビアルとフワライドを呼び出した。

グリーンは仁王立ちのまま、余裕綽々な態度を前面に出し、鼻で笑ってみせた。

「ヘッ、たった3匹か。オレ様も随分舐められたもんだ」

「なんだとッ!じゃあ6匹でどうだぁぁ!!」

3人はそれぞれ2つ目のモンスターボールを矢継ぎ早に投げた。飛び出したポケモンたちがピジョットに向かって威嚇する。

数の問題なの?とツッコミを入れたくなったけど、グリーンはノリノリだ。

「いいぜ。まとめてかかって来いよ……全力でなッ!!」

途端、辺り一面に激しい強風が吹き荒れる。ピジョットが生み出した旋風は、グリーンが手を伸ばした先へと的確に攻撃を繰り出してゆく。まるで風使いのように鮮やかで、その巧みな連携に目を奪われる。

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