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【ポケモン】パシオで恋して

第5章 ※Ever green!④


肩にそっと手が置かれ、互いに向き合う。

「約束しろ」

「約…束…?」

いつになく真剣な表情のグリーンに射抜かれ、視線を逸らすことができない。あれだけ目を奪われた星空も、きらびやかな夜景も、今は彼の存在を際立たせる背景と化してしまう。

腰に手を添えられ、鼓動が重なる感覚に心が震える。

「ずっと側にいろ。もう勝手にどこにも行くな」

熱くて切なげな眼差しを向けられ、身体中が熱を帯びる。

愛しさが胸に溢れ、じんわりと満ちてゆく。

私も、伝えたい。ちゃんと気持ちを。逃げないで伝えたい。

すう、とゆっくり息を吸い込むと、夜を纏った冷たい空気が肺を満たした。

「私もずっと…一緒にいたい。グリーンが好き」

違う。これじゃ足りない。

「世界でいちばん!大好き!」

「っ!?」

しばし沈黙。そして、

「…っ、ハハハハッ!!」

爆笑。されてしまった。

「知ってるよ!!バーカ!!」

突然ふわりと身体が浮く。

「え?ちょっと!」

軽々と抱き上げられたかと思うと、そのまま勢いよくくるりと回される。目の前の景色がぐるぐると回って驚きに息を呑む。

「落ちる!やめて!高所!信じらんないっ!」

ようやく回転が止まって、弾む息を整えながらグリーンを睨む。すると、予想に反し、彼は少し照れくさそうに微笑みかけてきた。優しさに満ちた瞳は、月よりも美しく輝いている。

「オレも好きだ。ずっと、誰よりも」

独占欲が見え隠れする告白。そんなことをさらっと言われたら、怒りが瞬時に幸福に塗り替えられてしまう。

腕の中、グリーンの体温に包まれ見つめ合う。

狂おしいほどの愛しさに、今は全てを委ねたい。

呼吸が溶け合う距離まで近づき——ゆっくりと、震えるまぶたを閉じた。

そうして私たちは、お互いの気持ちを確かめ合うような、初めてのキスを交わしたのだった。




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