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【ポケモン】パシオで恋して

第5章 ※Ever green!④




着いたのは、丘の上にそびえる巨大な風力発電が印象的な町だった。

風車が町のモチーフらしく、あちこちに風力発電機が立ち並び、花壇や店先にも可愛らしい風車が飾られている。石畳や漆喰の建物が風車のある景色に馴染んでいて、町の風景を眺めているだけで心が浮き立った。

着いた頃には夜になっていて、ライトアップされた町並みに出迎えられた。

「ここが言ってた場所?綺麗な町!」

セントラルシティと比べると観光客も少なく、同じ島内なのにまるで別世界のようだ。

「いや、向こうに大きな丘があるだろ?そこから見るパシオの夜景がすっげー綺麗なんだ」

そのまま丘に向かってもよかったけど、ちょうど夕飯時だったので、ごはんを食べてから移動することになり、すぐそばにあった喫茶店で夕食を取ってから丘へと向かった。



高所は避けたい気持ちではあったものの、危険を伴わない場所なら話は別だ。

「すごーい!!」

展望台は誰もおらず、静寂に包まれていた。手摺りに身を乗り出し、広大なパシオの夜景を一望する。

「だろ?前にピジョットを休ませた時に見つけたんだ」

星空を背景に、すぐそばの風車の町や、遠くに見えるセントラルシティのきらびやかな明かり、そして、はるか彼方の活火山のオレンジ色。そのすべてが、まるで風景画を切り取ったかのようで目を奪われる。

「気に入ったならまた連れて来てやるよ」

「やった!」

「ただし、他のヤツには内緒な」

「レッドやリーフちゃんには教えてないの?」

「ああ」

てっきりみんなと来ているのかと思ったのに。

「そうなんだ」

オレだけの特別な場所!なんて、意外と子供っぽいところがあるのかも。

「そんな秘密主義だとパシオの観光大使にはなれないね」

「オレ様は観光大使というよりチャンピオンの器だからな」

冗談を言いあい互いに笑顔を交える。


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