第5章 ※Ever green!④
「やっぱオレって天才だよなー!」
負けが続いてフラストレーションが溜まっていたのか、勝てた喜びを大袈裟に表現している。
「ごめんナナちゃん、かたきうてなかった」
トボトボと力なく戻ってきたリーフちゃんに、私のためにありがとう、そしてごめんと心の中で謝りつつ、そっと耳打ちする。
「あのね、さっきはうまく話せなかったけど、まだ何もしてないよ」
「そうなの??」
「詳しくは話せないけど、私が気持ちを確かめるようなこと聞いちゃって、安心させてくれただけで本当に何もないよ」
「そっか。あんなこと言うからビックリしたよ。よかったぁ」
私のために戦い、そして負けた直後だというのに、それでも私のことを一番に気にかけるリーフちゃん。なんて優しいのだろう。
「なに怒ってんのかわかんねーけどよ、オレ達この後出かけるから勝負はまた今度な」
「はいはい。楽しんできて!」
と言って後ろ手を組んでくるりと踵を返し、レッドに向き直る。
「レッドは私とランチする?」
リーフちゃんの誘いに、レッドは笑顔で頷いた。
こうして、セントラルシティまで4人で戻った後、レッドとリーフちゃんに別れを告げ、私とグリーンは予約していたレストランへ向かった。