第5章 ※Ever green!④
真面目とは言っても、停電したスタジアムの中で抱きしめられたことを思い出すと、軽い気持ちで誰とでもそういうことをするのではないかと、やはり不安になる。
それならば、と、勇気を出して聞いてみることにした。
「リーフちゃんはグリーンとの付き合い長いよね?」
「幼馴染だからね。でもそれはナナちゃんも同じでしょ?」
「ええと、じゃあ、グリーンと手を繋いだりしたことある?」
幼稚な質問。だけど、グリーンにとってスキンシップがどういうものなのか知りたかった。
すると、私の不安を掻き消すようにリーフちゃんは吹き出した。
「あははっ!グリーンと私が?ないない!安心して!」
意外な返答だった。リーフちゃんによると、熱心なファンから迫られても上手に受け流していたとかなんとか。
「じゃあつぎは私の番!ナナちゃんはグリーンと手を繋いだの?」
こくりと頷くと、リーフちゃんは大きな瞳をより一層輝かせる。
「グリーンってば積極的!」
「でも意識してないから、妹みたいな感覚で簡単にそういうことできるのかなと思って」
と言ったタイミングで、予選で言われたセリフを思い出した。