第5章 ※Ever green!④
と、今度は顔を寄せて耳打ちしてきた。
「ね、レッドにはぜっったい!言わないから教えて」
「なに?」
「ふたりってもう付き合ってるの?」
「まさか!そんなんじゃないよ!」
咄嗟にそう返したものの、これまでの出来事を思い返すときわどい場面はいくつかあったような…。思い出して恥ずかしくなってきた。
「でも……グリーンはどう思ってるのかな」
ぽつりと零すと、リーフちゃんがニヤニヤを隠しきれないと言った様子で口に手を添え「うふふ」と笑う。
「実はね、きずなの大会、はじめにナナちゃんを誘おうとしてたのはレッドだったんだよ」
「そうだったの!?」
それは初耳だった。グリーンはそんなこと一言も話さなかった。
「正確には私だけどね。私がふたりに大会の話を持ちかけて、ナナちゃんに相手がいなかったらチーム組もうかなって言ったら、レッドが私とグリーンと戦いたいって言って、それってナナちゃんと組みたいってことでしょ?」
「う、うん」
いないところでそんな話をしていたのは驚いたけど、それよりもみんなが私をそんなに気にかけていてくれたことが素直に嬉しくて気恥ずかしくなる。
「そうしたらグリーンが、『ナナをトレーニングしてるのはオレだから』って譲らなくて、ナナちゃんとふたりで私たちを倒す!って宣言していなくなっちゃって」
「それでグリーンは誘ってくれたんだ」
「ああ見えて真面目だから、すごくナナちゃんのこと真剣に考えていると思うの」
そう言って、ニコニコしながら私の返事を待つその様子から、私たちの関係について興味津々なのが伝わってくる。