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【ポケモン】パシオで恋して

第5章 ※Ever green!④



顔を前方に向けた瞬間、数十メートル先の草原からズドォォォン!!と隕石でも落ちたんじゃないかと思うくらいの大きな衝撃音と共に、キョダイマックスしたカビゴンがウィンディを押し潰し、戦闘不能にさせた。

地面に両手両膝をつき項垂れるグリーンと、それを見下ろすレッドの対比で、勝負の結果は明白だ。

「このオレ様が3連敗!?そりゃねーぜ!!」

「……!」

「なんだよ?力任せに無理させすぎって?なら今度はもっとテクニカルにじわじわ追い詰めてやるぜ!」

今日はこれからグリーンと出かける予定なのに、勝負は一向に終わる気配がない。

「決勝はグリーンひとりの力では優勝できなかった。ふたりが協力したから、でしょ?」

「そう、かな。うん、そうだといいな。ありがとう」

ニッコリするリーフちゃんに、私も笑顔を返す。

目の前で繰り広げられる4回戦は、またしても序盤からグリーンが追い詰められ始めた。

「レッド絶好調だね」

「仕方ないわよ。あの大会からレッド火がついちゃって、朝昼晩ずーーっと修行してたもん」

膝に肘を乗せ、頬杖をついてリーフちゃんがつぶやいた。

「あんなに強いのに、ずっと情熱があってすごいなぁ」

「よほど悔しかったんだと思う。もちろん、私だって同じ」

そう言いながら、手を差し出す。

「改めて、きずなの大会優勝おめでとう!」

「…ありがとう!」

固い握手を交わす。憧れだったリーフちゃんに認めてもらえた気がして、それだけで胸が熱くなるのを感じた。

「次は負けないからね!」

「うん!私もがんばる!」

握手を解くと、リーフちゃんはポリゴンフォンで時間を確認する。

「そういえば、もうお昼になるけど、この後グリーンと約束してるんじゃないの?」

「うん。お祝いでごはんに連れて行ってくれるって」

私がそう返すと、「キャー」と言いながら、頬に手を添え目を爛々と輝かせた。
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