第4章 Ever green!③
「キュイ!」
私を見つけたサンダースがこちらに駆け寄ってきた。
「サンダース!よかった!」
サンダースは鼻先を指にちょんと当てて頬を擦り寄せる。
「一緒にがんばろう!」
小さな声で返事をすると、サンダースは何かを察知し、毛並みを逆立たせてながら耳を振った。
サンダースの視線の先から、地面がズシンズシンと揺れる振動が伝う。
リザードンの足音だ。きっと地上に降りてサンダースを探しているんだろう。
そこで一つ疑問が浮かぶ。
「リザードンが飛んでいない??」
もしかしたら、かみなりのダメージを翼に追い、一時的に飛べなくなっているのかもしれない。
地上にいるならばまだ策はある。
「サンダース!地面に潜って!」
サンダースは即座に地面に穴を空ける。視界が煙で奪われている今、死角から攻撃を仕掛ける!
「リザードンッ!」
レッドが危機を察知して指示を出そうとするけれど、サンダースの稲妻のようなスピードがそれを許さない。
リザードンが動こうと足を上げた瞬間、足場が崩れ落ち、身体が地面に叩きつけられた。リザードンは苦痛に顔を歪ませる。
片足が穴にはまり身動きが取れなくなったリザードンは、翼をはためかせ抵抗する。
リザードンに隙が生まれた!
「もう一度いくよ!サンダース!」
この機を逃したら、もうチャンスは訪れないだろう。
「全力のかみなりぃっ!!」
手を前方へ向けると、私の身体が光に包まれるような不思議な感覚を覚えた。
「キュィィィイ!!」
落雷と共にスタジアムが激しく揺れる。
その眩しさに目を細めると、次の瞬間、視界が真っ暗になった。