第4章 Ever green!③
稲光の後に大きな雷鳴が轟き、フシギバナとリザードンの全身に電撃が走る。
「く…っ!!」
「フシギバナ!そんな…」
衝撃と突風が巻き起こると、レッドの帽子が風に舞い、夜空に吸い込まれていった。
不発となったブラストバーンは爆煙となり、またしてもスタジアムに煙が充満し、会場は混乱状態だ。
広い会場を覆い尽くす煙は、ブラストバーンの威力を物語っている。
もし、かみなりが間に合わず"あれ"が直撃していたら…?
考えるだけで背筋がゾッとする。
「サンダース!大丈夫?……ゲホッゴホッ!」
呼び声に反応はない。
煙の中、恐る恐るまぶたを開く。
すると、動かなくなったフシギバナの大きな影がひとつ。その奥には、薄ぼんやりと青白い炎が見えた。
やっぱり仕留めきれていなかった。
膝をつき項垂れる。
なんて高い壁なんだろう。どうして届くと思ったんだろう?
やっぱり私は、足手まといにしか——
「あきらめるなっ!」
グリーンの声にハッと我に帰る。
「まだ終わってない!前を向け!」
そうだ。逃げないんだ。変わりたいんだ。
頷き、袖で目を拭って顔を上げた。