第4章 Ever green!③
「リーフのフシギバナは葉にも強い毒があって、触れただけで相手をもうどく状態にする厄介な特性があるんだ」
歯噛みしながらグリーンが答えた。
つまり、戦いが長引けば長引くほどこちらが不利になる。
だから冒頭からはっぱカッターを仕掛けてきていたんだ。
メガカメックスもサンダースも、毒を受けて明らかに衰弱している。
「いくよレッド!」
「…!」
動きが鈍ったメガカメックスとサンダースの足をツタが捕らえた。足を封じられた2匹の頭上では、メガリザードンXが鋭い双眸で地上を見下ろしている。
咄嗟にサンダースに逃げるよう指示を出したけれど、ツタの力と強度は尋常じゃない。サンダースの爪と牙で攻撃をしてもびくともしない。
身動きが取れないこの状況で、リザードンの攻撃を直に受けたら致命傷は免れない。
どうする?どうやって反撃する?
限られた時間の中、必死に突破口がないか考えるけれど、焦るばかりで何も浮かばない。
「状況はかなり不利だ。メガリザードンXになって属性がほのおとドラゴンタイプに変化している。つまり、耐えたところで今のリザードンにでんきとみずは通用しない」
「そんな…!!」
冷たい戦慄が全身を貫く。
「…!」
レッドが無口のまま手を前方に向け、メガリザードンXに指示を出した。その命令を瞬時に汲み取り、メガリザードンXは翼を激しくはためかせた。
呼吸するだけで肺が焼け爛れそうなねっぷうが2匹を襲い、身動きの取れないまま、更にダメージを負ってゆく。
戦いのペースは完全にレッドとリーフちゃんだ。
「どうしようこのままじゃ…!」
何もできないまま終わってしまう?
敗北のシナリオが頭に浮かんだ。