第17章 ペパーミントラブ
つぶらな瞳がサンドウィッチを見ている。
「バウウ」
不安げなトゲピーを応援するように、マフィティフが優しく吠えた。
それに応えるように、小さなお口がサンドウィッチからこぼれ落ちそうになったブルーベリーを食べた。そしてそのままバンズもぱくり。
「——…プルリ…!」
トゲピーの瞳に輝きが戻る。そしてひとくちがふたくち、ふたくちがみくち——口の周りにパンくずをつけながら、夢中になって食べ始めた。
トゲピー用のサンドウィッチには、食べやすいように小さめにカットしたフルーツが盛りだくさん。フルーツを美味しそうに食べながら、ついにクリームへと到達した。そこで、トゲピーがサンドウィッチを食べるのをやめた。
トゲピーの様子を、固唾を飲んでみんなが見守る。
すると、クンクンとほのかにミントが香るクリームを嗅いで——ぴたり、と動きが止まる。
「チョケ…」
やっぱり、ミントは誤魔化せなかった??
と、誰もが諦めかけた瞬間——
ぱくり、もぐもぐ。
「チョケプリィィ!」
Nが取り皿に、小さなサンドウィッチをもうひとつ乗せる。
「おかわりだって」
ミントの透き通った香りが溢れる研究所で、たくさんの笑顔が咲いた。