第17章 ペパーミントラブ
「お待ちどうさん!ペパー特性フルーツたっぷりサンドウィッチだ!」
テーブルに並べられたサンドウィッチを前に、私とNは瞳を爛々と輝かせた。
「私って天才だったんだ…」
「これが、ボクらのラブと食材が融合した数式の解…!」
ふわふわのバンズの両面にはバターがたっぷりと塗られ、イチゴ、リンゴ、ブルーベリー、バナナ、メロンなど、色鮮やかなフルーツが惜しみなく散りばめられている。その果実をやさしく包むのは、ほんのりと紫に染まったホイップクリーム。パシオミントときのみを練り込んだそのクリームは、ミントの爽やかさがフルーツの甘みを邪魔しないよう、絶妙な配合で仕上げられている。そして仕上げに、上からあまいみつをとろりとかけ、バンズでそっと閉じ込めた。
「これならきっと、トゲピーも食べられるはずだぜ!」
甘い匂いに誘われて、ヒナギク博士も仕事の手を止めてやってきた。サンドウィッチを見るや否やパァッと明るい顔になる。
「ワンダフル!とっても美味しそう!みんながんばったわね!」
「たくさん作ったから、ヒナギク博士も食べてくれよな」
「サンクス!ナナ、お茶の準備手伝ってくれるかしら?」
「もちろんです!お湯を沸かすついでに洗い物済ませておきますね」
「ボクはお皿を用意するよ」
キッチンの後片付けを済ませたらさっそく試食会兼ティータイムだ。サンドウィッチはたくさんある。Nと私もポケモンをボールから出して、みんなでテーブルを囲んだ。