第17章 ペパーミントラブ
「ちょけ」
「あ、トゲピーこんにちは」
手を振って挨拶すると、驚かせてしまったようで、トゲピーは観葉植物の鉢植えの後ろに隠れてしまった。ビクビクしながらこちらをうかがっている。
そんなおくびょうなトゲピーに向かい、Nはふわりと微笑んだ。
「このトゲピーは、この間保護したトモダチですね」
「ええ、まだ実験の後遺症が完治していないし、引き取り手もいないから、しばらくはここで保護するつもりなの」
「そうですか…かわいそうに…」
悲痛な面持ちでNが呟く。
初めての調査で、突然目の前でダイマックスして保護したトゲピー。シルバーくんから聞いた話によると、やはり私たちの予想通り、ロケット団によりダイマックスの実験台にされていたらしい。
「博士、ガレットをあげてもいいですか?」
「いいけど、この子、食欲があまりなくって……美味しいお菓子を食べれば元気になるかしらね」
「よし、トゲちゃん食べてみよう!おいで」
ミアレガレットを食べやすい大きさに割って手のひらに乗せる。手招きするけど、トゲピーは怖がって近寄らない。