第14章 メイ探偵とゴースト
「あたしはね、みんなに愛想振りまいていい気になっているあの女に教育してあげるの!もっと誠実に生きられるように!」
「ほう?随分とご立派な立場なんだな?」
「そうよ!わからせるついでに、可哀想なあんたの恋路を手伝ってあげるんだから感謝しなさい!」
「オレはべつにあいつを手に入れたいとは思ってない」
今度は女がワザとらしく鼻で笑ってオレに挑発してくる。
「ふふん、負け惜しみ?それならどっちみちあたしがなにしようが関係ないでしょ!邪魔しないで」
「けどな、あいつが悲しむ顔は見たくないんだよ!」
言った後、無性に腹が立ってきた。
クソッ、なんでこんな意味わかんないヤツにオレの話をしちまったんだ。誰にも言うつもりはなかったのに。
モンスターボールを構える。
「おい、オレとポケモン勝負しろ」
「急すぎない!?あんた人と会話できないの?」
「なんとでも言え。くだらない話にこれ以上付き合ってられるか。オレが勝ったら二度とあいつには近寄るな、いいな?」
「ああもういい!わかったわよ!」
女は髪を逆立てながら、自分の周囲にモンスターボールをふわふわと浮かばせる。こんな能力があるのなら、すぐクラスの人気者になれそうなもんだが、やはり内面が破綻してると難しいもんなのだろうか。
「あんたがダラダラ絡むせいであの女は帰ったし、思う存分八つ当たりしてやる…!」
夜の闇の中、突如始まるポケモン勝負。
勝負は言うまでもなくオレの勝ちだった。
女は号泣しながら寮へと戻っていった。