第14章 メイ探偵とゴースト
帰り道、興奮冷めやらぬメイちゃんは、身振り手振りで今日の出来事を振り返る。
「——そんなわけで、みなさんありがとうございました!犯人を捕まえられたのも、Nさんとナナさんのおかげです!」
「ははは、よかったよかった…」
保健室から借りたバスタオルを頭から被りながら力なく笑う。
「ボクも、いろいろな経験ができて楽しかったよ。みんなアリガトウ!」
Nもバスタオルを肩からかけて微笑んでいる。バスタオルですら、Nが身に纏うとマントのようにサマになるから不思議だ。
「あの子はハルトくんが送ってくれましたし、もうすっかり友達ですね!」
マツバさんは仕事があるからと職員室に戻り、ハルトくんは夜道は危険だからと女の子を学生寮まで送っていった。
イタズラはよくないことだけど、今日のことがきっかけであの子に友達ができたのならば、結果的にはよかったのかもしれない。終わりよければすべて良しとしよう。
「今日は世話になったな。オレもここでお別れだ」
「一緒に帰らないの?」
「少し寄るところができたんだ。じゃあな」
顔半分を手で隠すおきまりのポーズで別れの挨拶をすると、グラジオくんはみんなとは違う道に消えていった。
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