第14章 メイ探偵とゴースト
「みなさん、夜遅くまで大変でしたね。おつかれさまでした」
校長室に集まり、答え合わせの時間が始まった。
ゴーストポケモン騒動の犯人は、アカデミーの女子生徒だった。
放課後、カップルをターゲットにイタズラを繰り返していたらしい。
アカデミーに入ったのに友達も恋人もできず、鬱々とした感情を嫌がらせによって発散していたそうだ。
メイ探偵の見事な推理によって、犯人を捕まえることができ、私とNも無事依頼を達成できたというわけだ。
犯人の女の子は、クラベル校長を前にしてすっかり萎縮している。
「うぐ…ごめんなさい…」
「今回の件であなたは1週間停学処分となりますが、その間に我々教師も、生徒のみなさんが楽しく過ごせるよう対策を検討しましょう。すべての生徒が楽しくアカデミーライフを送る環境を作るのが、校長であるわたしの務めですから」
項垂れて涙を流す女の子に向かい、ハルトくんがゆっくりと近づいていく。
「ねぇ、キミさ、よかったらオカルト研究部に入らない?」
「え…?あたしが…?」
「うん!だってすごいよ!キミサイキッカーなんでしょ!?ポケモンに頼らずに物を浮かしたり水を操るなんて!」
「ま、まぁね、あたしはナツメさんに憧れてるの。ヤマブキジムのトレーナーになるのが夢だから」
「ナツメちゃんならぼくは知り合いだし、キミの夢の手伝いができるかもしれない。復学したらオカルト研究部においで。ぼくもキミの力についていろいろ興味があるしね」
ハルトくんとマツバさんのお誘いに、女の子は顔を真っ赤にしてはにかんだ。
「どうやら、わたしがなにをせずとも解決しそうですね」
クラベル校長はふわりと微笑んだ。