第14章 メイ探偵とゴースト
「…ああうらめしい…イケメンを取っ替え引っ替えなんて…」
「だっ誰!?」
「なにがパシオアカデミーだ…こんなごみ溜めのような学校なんか…!」
不気味な女の声が響いた次の瞬間、噴水が轟音を立てて暴れ出した。水は渦を巻き、一本の巨大な水柱となって、私たちめがけて振り下ろされる。
突然の奇襲にひるんで動けないでいると、Nの頭上に突如フワライドが現れた。
「シャドーボール!」
マツバさんの声のすぐ後、フワライドはシャドーボールを放った。攻撃は水柱の軌道をずらし、柱はバシャアン!と音を立てて崩れると、水飛沫となって私とNに降りかかる。
どしゃ降りの中、マツバさんが私たちに駆け寄った。
「ああ、ごめんよ!びしょ濡れだ!」
「いえ…おかげで目が覚めました」
濡れたことなどまるで気にする様子もなく、Nはただ興味深そうに状況を観察している。
「驚いたね、メイの予想通りだ」
隠れていたみんなが噴水に集まったところで、
「捕まえた。こいつが犯人だ」
グラジオくんの声が、この検証に終わりを告げた。