第14章 メイ探偵とゴースト
昼は生徒たちで賑わう中庭は、夜になるとひっそりと静まり返っていた。
教師が残っているのだろう、いくつかの窓だけが柔らかな光を漏らしている。外灯の白い光が校舎の壁を冷たく照らし、夜の静けさをいっそう深めていた。
というわけで、今度は中庭の噴水で検証をするらしい。
「コイビト…?ボクとナナが…?」
怪訝そうなNの声が響く。
「はい!さっき噴水で被害があったのはカップルだったそうです!ナナさんとグリーンさんも壁ドンがトリガーで本が襲ってきていたので、今回はおふたりに恋人のフリをしてもらって検証です!」
「フリというか、話してるだけでいいんだよね?」
「必要であればスキンシップもお願いします!初々しい雰囲気で!」
「すきんしっぷ!?」
「無茶苦茶な要求だな。オマエ、断ってもいいんだぞ」
グラジオくんはすっかり呆れ顔だ。
「あの、メイちゃん、よければ恋人役はメイちゃんが…」
「あたしは探偵なので犯人を捕まえる役目を全うします!大丈夫ですよ!なにかあってもNさんとっても強いので!」
「そういう問題じゃないんだけどな」
突然の依頼にNも困惑している。その表情は少し暗い。