第14章 メイ探偵とゴースト
「いた!映ってる!」
「えっ!?」
「ほんとですか!」
メイちゃんとハルトくんがすかさずモニターに食いつく。
もしがっつりおばけが映っていたらどうしよう。そう思うと、急に怖くなってきた。
「ナナさん、一緒に見ましょう!」
「う、うん」
メイちゃんの頭の後ろからひょこっと顔を出して私も参加する。
マツバさんがスローで再生しながら、とある場面に差し掛かったところで映像を止めた。
「ほら、ここの窓だよ」
グリーンに壁ドンされた直後だ。確かに奥の窓に黒い影がある。
「よく、念のこもったモノがゴーストポケモンになったりするんだけど、図書館の本には強い念は感じなかった。おそらくこの影が本を操っていた犯人だよ」
「この映像から人かポケモンかは判別つかないんですか?」
「ごめんよハルトくん。小さすぎて見分けがつかないんだ。けど、並々ならぬ強い怨念を感じるから、人でなければ生霊か幽霊、あるいは可能性は低いけどゴーストポケモンかもしれないね」
「そ、その怨念とやらは私に向けてですか?」
マツバさんは、首元のマフラーを掴むと、少し間を置いてから首を縦に振った。
「…——この映像ではナナちゃんに向けられてるね。まぁ、霊が無差別に敵意を向けることは、なにも珍しい話ではないんだ」
「無差別でもなんでも怖すぎます…」