• テキストサイズ

【ポケモン】パシオで恋して

第14章 メイ探偵とゴースト



マツバさんは、本が1冊浮かんだ箇所を何回も巻き戻したり止めたりして注意深く確認している。

その間に私たちは、つい先ほど被害を受けた生徒について情報共有してもらうことになった。メイちゃんがホワイトボードに詳細を書き込む。

・中庭
被害者2名
時刻:17:32
中庭の噴水のふちに座っていたら、
空中に浮かんだバケツに水をかけられた。
動く影が見えたが正体不明。

書き込まれた内容を見て、うーんとうなる。

「私の時もだけど、心霊現象じゃなくて、人がポケモンにやらせてる気がするんだよね」

「だとしたらなんのためかな?」

「ただの悪質なイタズラ?」

「無差別なのか狙った犯行なのか…」

ハルトくんと顔を見合いっこして、首を傾げて同時にため息をつく。

「ふむふむ、犯人を探すために手段ではなく目的を追う…!おふたりともすばらしい着眼点ですね!」

「騒動が広まればアカデミーの評判も落ちる。犯人はそれを狙ってるんじゃないか?」

4人の視線がグラジオくんに集まる。アカデミーの評判を落とすのが目的だとしたら、誰を陥れたいのだろう。

クラベル校長?いや、もしかしたら——

「出資してるライヤーさんを困らせたいのかな?」

そう言うと、今度はみんなの視線が私へと向けられる。メイちゃんが、お得意の探偵ポーズになりながら訝しげに目を細めた。

「あたし前に、ブレイク団はライヤーさんに恨みがある人たちが結成したって聞いたことあります!てことは今回もブレイク団かもですね!」

「しかし、今のブレイク団はロケット団と協力関係だ。ということは、裏でロケット団が手を引いている可能性もあるかもしれない」

「オレは組織ではなく個人だと思う。ロケット団なら、こんなくだらない嫌がらせではなく、もっと派手にやるはずだ」

メイちゃんとNの悪の組織絡み説を、グラジオくんがきっぱり否定する。たしかに、ロケット団ならばこんな子供のイタズラみたいなわるだくみはせず、もっと狡猾に動きそうだ。となると、グラジオくんのいう通り、犯人は個人、あるいは学校に迷い込んだポケモンだろうか。

話し合いは平行線。みんな口を結んで考え込む。

そんな中、モニターに見入っていたマツバさんが声を上げた。

/ 452ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp