• テキストサイズ

【ポケモン】パシオで恋して

第14章 メイ探偵とゴースト



「オレ様の言いつけを守らない生徒はおしおきが必要だよな?」

グリーンの変なスイッチが入ってしまった。今にもキスされそうな距離で見つめてくる。

「ふ、風紀が乱れる!」

「乱す原因はお前だろ?」

脚の間に膝を押し込まれ、身動きが取れなくなる。

「人が見てるから、ストップ!」

「だから誰もいないって」

「いる!いるんだってば!」

顎クイされながら吐息混じりの声で誘惑されれば、嫌でもその色気に惹きつけられてしまう。腕の下からすり抜けようとすると腰を引き寄せられた。

「だ、め…離して!」

必死に抵抗して両手で胸元を押す。けれど、グリーンはびくともしない。

「ずいぶん必死だな?やっぱ依頼は口実で、誰かと待ち合わせでもしてんじゃねーか?」

さっきから真実しか告げていないのにまったく信じてくれない。

「おねがいっ、信じて!ほんとに検証中なのっ!」

「オレが検証してやるよ。お前の理性をな」

「なにいってんの!そんなのいい、しなくていい!ねぇ!そこにロトムがいてみんなに中継——」

キスされる寸前——不意に、グリーンの背後に黒い影が浮かび上がるのが見えた。

「グリーン!うしろっ!!」

顔を引き攣らせながら震える指を影へと向ける。

「は?」

グリーンは振り向きざま、後頭部めがけて飛んできたなにかを片手でキャッチした。

「なんだ?」

掴んだのは1冊の辞書だった。

固まる私たちの目の前で、本棚から次々に本が飛び出す。蝶のように羽ばたいたかと思うと、一斉に襲いかかってきた。

「きゃあぁぁあ!!」

「どうなってんだ!?」

グリーンは私を庇うように抱き寄せ、背中で本の攻撃を受け止めた。

/ 452ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp