第14章 メイ探偵とゴースト
「なにか言いたいことはあるか?」
「素直にキモチを伝えよう、ナナ」
「……とても、優しい一面があるんだなって、ステキだなって思いました」
「フン…」
「詮索してごめんね、シルバーくん」
シルバーくんの機嫌は戻らない。なんとか機嫌を取ろうといろんな話題を振ってみるけど、目も合わなければ口も聞いてくれない。
「フフッ、ナナとシルバーは複雑なラブの関係なんだね」
「「どこがっ!」」
騒いでいると、グラジオくんとメイちゃんがやってきた。
「なんだ?なにを揉めている?」
「痴情のもつれってやつですよ、グラジオさん」
なにやらメイちゃんがグラジオくんに変なことを吹き込んでいる。
「そうか……あいつら同じチームだろ?大変だな」
グラジオくんは眉を詰めて嘆息すると、また片手で顔を覆うポーズをした。彼の中でなにか感情を表すときに、ポージングするのが癖なのかもしれなかった。
Nは揉める私たちに慣れっこなのか、気にする素振りも見せずに質問を投げる。
「シルバーはパシオアカデミーの生徒だったんだね?」
「違う」
「一緒に入学する?」
「誰がお前なんかと!」
ほんの軽口だったのに、シルバーくんの眉間にまた皺が寄った。ギリギリと歯噛みしながら、拒絶の意志を前面に出してくる。
Nがシルバーくんを宥めながら話を聞くと、どうやら、教員のマツバさんに呼ばれて学校に来ていたそうだ。
マツバさんの名前を聞き、メイちゃんが大きな瞳をさらにきゅるんと見開いた。
「そうでしたそうでした!クラベル校長に、マツバさんたちも調査をしているから情報提供してもらうよう言われてたのをすっかり忘れてました!マツバさんといえばゴーストタイプのエキスパート!心強いこと間違いなしです!」
「もう日も暮れてきた。さっそくこの後部室に行くぞ」
「部室?マツバさんって部活の顧問なの?」
「はい!」
メイちゃんが手を合わせて微笑む。
「オカルト研究部です!」