第14章 メイ探偵とゴースト
図書館を見た後は、講義を見学したり、学生と交流したりしながら、ひと通りアカデミーを案内してもらい、気がつけばあっという間に夕方になっていた。
そんなこんなで、調査開始時刻ギリギリに、グラジオくんが好きだという場所に連れてきてもらっている。
「ここがグラジオくんのお気に入り?」
「ああ、考えに煮詰まった時、ここで頭を冷やしてるんだ。景色もいいし風も気持ちいい。なにより人が少ないから落ち着く」
屋上のフェンスに手を添え、グラジオくんが深呼吸する。
「ここならパシオを見渡せるね。夕陽もキレイだ」
「あたしもここでよくお弁当食べてます!青春って感じですよね」
メイちゃんの瞳が、夕陽を反射してきらめいている。
私もみんなと景色の美しさに浸っていたかったけど、それよりも気になる光景を見つけてしまった。
よく見知ったその人にツカツカと歩み寄り、じーっと見つめる。視線の先には、赤髪のムスッとした男の子と、水色のスモックに黄色い帽子を被った小さな女の子。
「なんだよ、人のことじろじろ見てんなよ」
シルバーくんは挑発的な目つきで、心底嫌そうに吐き捨てた。