第12章 ※熱帯夜
ピストンは徐々に激しくなる。突き上げられ、その度にお腹の奥からじんわりと気持ちよさが広がり、その波は徐々に深くなる。
何度も腰を肌にたたきつけられ、内側から何かがせり上がってくる。
グリーンの手が前に伸びる。芽を指で擦られ、同時に与えられる強い刺激に背中が弓なりに反った。
容赦なく繰り返される抉るようなストローク。今までにないほどの強い快感に恐怖を覚える。
「や、だ、やだっ、こわいっ、抜いてっ」
そうだ、これはあの感覚に似ている。高所から一気に落ちるあの感覚に。
「痛いのか?」
「いたく…ないけど、へんっ、なんかへんなの…ッ」
「どう変なんだよ?」
耳元で妖しく囁く。
「奥…あたって…」
「ここ?」
トントンと押し込まれて快感が溢れ出す。
「やだっ、それこわい…やめて、やめてぇ…!」
「怖くない。そのまま感じてればいいんだよ」
激しい律動に揺さぶられるたびに頭の中までぐちゃぐちゃにかき回される。充血し、膨らんだ芽を指で挟んで扱かれる。
「っあたま…へんになる…ん、はぁっ、まって…ッ、んんッ」
何度もガンガン突かれ、脳天を揺さぶられるような快感に意識が遠のきかけて——
「…怖がるな…大丈夫だから…」
激しい行為とは裏腹な、吐息混じりの甘い声。
「一緒にいこうぜ…ナナ…」
グリーンが奥まで貫いて腰を押し付けた刹那、パチパチと何かが頭の中で弾けた。呼吸が喉の奥で一瞬止まる。ガクガクと膝が震え、てっぺんに昇った意識がひゅるんと一気に落ちる。深い絶頂の波に溺れながら、お尻に熱い欲がかかるのを感じて目を閉じた。