第12章 ※熱帯夜
「ゲホッ…ケホッ…はぁッ、はぁ…ッ」
急いで肺に酸素を取り込む。疲弊して意識がぼやける中、肩を上下しながらグリーンを見上げた。
獲物を追い詰めるような視線が私を捕らえる。と、強引に手を引かれ立ち上がる。
「壁に手をつけ」
呼吸が整わないまま、大理石の冷たい壁に手をつく。息苦しさに胸がじんと痛む。
グリーンは私を無理やりお尻が突き出す体勢にさせると、熱い欲を割れ目にあてがった。
「さっきより濡れてるな。もしかしてフェラで興奮したのか?」
「それとも」と言って耳元でボソリと呟く。
「…無理やりされるの好き?」
意地悪な台詞に耳をくすぐられて背筋が粟立つ。
グリーンは先っぽに愛液を絡ませると、私のお尻を引き寄せ、ぐっと腰を押し込んだ。
「…ぃ、あ、あぁあ…ッ」
いつもと違う角度で挿入され、堪らなくなって声を漏らす。突き出した臀部を掴みながら、グリーンは腰を揺らし始める。
ゴムをつけない挿入は初めてで、直に突き刺される感覚はいつもより熱く感じた。中を掻かれる気持ちよさも全然違う。
「後ろからだとナナの好きなとこ責めやすい……ほら、ここだろ?」
「ひぅ…ッ、んんッ」
じっくりと擦りつけるような抽送。何度も可愛がられた身体は敏感で、思考がどろどろに溶かされてゆく。
こんな格好、後ろから丸見えだ。見られたくないのに、恥ずかしいのに。
後ろからの衝撃と甘い刺激に、もうなにも考えられなくなる。