第12章 ※熱帯夜
と、不意に指先がじわじわと後ろに押し込まれた。
「い、嫌…っ」
痛みと異物感に顔が歪む。ほんの少し指が入っただけなのに苦しい。芽はシャワーの無機質な水圧に追い詰められ、無理やり強い快感を引き起こされる。
「ゆび…抜いて…おねがい…」
「もう少しだけ…いいだろ?」
ふるふると首を横に振ったのに交渉は続く。
「イったらやめるから……な?」
低く甘い声で私を翻弄する。
太腿を膝で押し開かれ、水流が直に芽に当たる。激しい刺激に膝が震え、痺れるような快感に支配されながら、指が中を広げるように優しくかき混ぜた。
痛みと羞恥に耐えているうちに、背中にぞわぞわした感覚が走り抜ける。シャワーの刺激がまた私をあの昂ぶりへと引きずり込んでいく。
「ナナ、目、開けろ」
鏡に映る女を自分だと認めたくなかった。
恍惚とした表情を浮かべながら、だらしない声を漏らしている。
お腹の奥からピンク色の波が押し寄せて快感が広がっていく。
「ぐりーん、もぅ、ダメ…ッ、また、私…」
「ああ…イク顔見せろよ」
鏡越しに目が合った瞬間、突き抜けるような快感に襲われ腰が痙攣した。足腰から力が抜けると、ようやくシャワーと指の刺激から解放され、グリーンにしなだれかかる。
「大丈夫か?」
「ん…」
そのまま私が転ばないよう、ゆっくりとバスタブに座らせてくれた。冷たいふちが太腿に触れるのが気持ち良かった。
快感の余韻に浸っていると、鈍い思考のまま、ある思いが芽生える。
「ねぇ…グリーン」
座って呼吸を整えながら、ボディソープをてのひらに垂らす。
「あのね、下手かもしれないけど…」
ボディーソープをつけた手で、固く反り勃った欲を掴む。
「っ、ナナ…?」
「私も、したい」