第11章 お祭り騒動
レッドたちの元へ戻ると、リーフちゃんがビニール袋いっぱいにお菓子や景品を抱えた姿で出迎えてくれた。
レッドに目配せして尋ねると、どうやら射的や輪投げでミラクルを連発し、屋台のおじさんを半泣きにさせてきたらしい。
驚きを隠せない私とグリーンに、リーフちゃんは「えへ」と得意げにビニール袋を見せびらかしてご満悦だ。
私とグリーンが戻ってきたタイミングで、ポケモンたちが少し疲れた様子を見せはじめたので、近くの公園で休憩することになった。
グリーンとレッドは食べ物を買いに行き、その間に私とリーフちゃんはリザードンとカメックスを預かって、公園でポケモンたちと一緒にのんびり過ごす。
祭りの喧騒と熱気から少し離れた公園は、空気がいくらか落ち着いていて、木陰を抜ける風が心地よく肌を撫でていく。
ポケモンたちにサイコソーダを買って飲ませると、よほど喉が乾いていたのかごくごくと勢いよく飲み干した。
くつろいでいるポケモンたちを横目に、私とリーフちゃんもサイコソーダで喉を潤す。
「あれだけ人が密集してたらポケモンも暑いよね」
「そうよね。だからこういう場所があってよかったね」
公園といっても遊具はなく、あるのは芝生とベンチと水飲み場のみ。休んだり食事をとるためのスペースとして開放されているようだ。
「と こ ろ で!それ、グリーンのプレゼントでしょ!」
早速かんざしがバレた。
「うん、さっき買ってもらっちゃった」
「も〜愛されてる〜♡」
リーフちゃんは、頬を赤らめてはしゃいでいる。その反応がなんだか照れくさくて、私は誤魔化すようにサイコソーダのビー玉を揺らして瓶を空にした。
「私さ、リーフちゃんには付き合ってること話したけど、グリーンはレッドに話したのかな?」