第11章 お祭り騒動
「そうだけど?」
男の子は、フシギバナを見て目を爛々と輝かせる。
「すごい…ホンモノだ!ボク、あなたのフシギバナに憧れてフシギダネを育てているんです!リーフさんのフシギバナは世界一です!」
男の子の言葉に、それまでむくれていたリーフちゃんの表情にパァッと花が咲いた。
「ほんと?うれしぃーーっ!そうなの!うちの子ね、きれいでかわいくてカッコよくて最高なの!ほら、ここ見てみて!」
リーフちゃんは、男の子とフシギバナの品評会を始める。
「わぁ、こんなに美しい葉にもうどくが…!」
「そこは触っちゃダメだからね。そのかわり、ここに抱きついて匂いをかぐとね、最っ高なの!あぁ〜好き!たまらない!このワイルドな匂い!」
「ボクのフシギダネは…甘い!ここのシワから甘い匂いが!」
「その匂いがね、成長に連れて個性が出てくるのよ!甘い匂いは今しか嗅げないの!」
「わかりました!毎日嗅ぎます!」
何やらすごく盛り上がっている。邪魔しちゃ悪いと思いふたりから距離を置いた。