第11章 お祭り騒動
「グリーンに聞いたけど、それナナミおねえちゃんの浴衣でしょ?写真撮らせて!」
「ひとりは恥ずかしいから一緒がいいな」
「それはあと!まずはナナちゃんとサンダースから!」
気恥ずかしさはあったものの、リーフちゃんに促されサンダースと並んで写真を撮ってもらった。
リーフちゃんは画像をチェックすると、頬に手を添え大袈裟に褒めちぎる。
「かわいいー!グリーンに見せたら大喜びね!」
「そう、かな…そうだといいな」
「絶対喜ぶわよ!ナナミおねえちゃんにも送らないと!」
実はリーフちゃんが可愛すぎて引け目を感じていたけど、たくさん褒めてくれたのでえへへと笑ってみせる。
着付けも一生懸命練習したし、喜んでくれるといいな。
交互に写真を撮り合ってから、最後はツーショット。
写真撮影を終え、周囲をぐるりと見回した。
お祭り会場は、モンスターボールを模した赤い提灯が飾られ、中央のやぐらの上では、四天王のシバさんがカイリキーと交互に和太鼓を叩き、やぐらを囲んでお客さんが曲に合わせて盆踊りを踊っている。
その盆踊り会場のやぐらを中心に、いろんな屋台がずらりと並び、たくさんの人でひしめき合うように賑わいを見せていた。
レッドとグリーンは警備の手伝いで先に夏祭り会場に向かっていて、交代になってから私たちと合流する予定だ。
けれど、約束の時間になってもなかなか来ない。
「ふたりとも遅いね」
「もしかしたら何かあって交代できないのかも。連絡もないし、先にわたしたちで周ってよっか」
「うん、そうしよう」
と話したところで、前方に何やら人だかりが見えた。
「探す手間が省けちゃった」
「そうみたいだね」
人だかりの中心にはレッドとグリーンがいた。