第10章 親子のカタチ
「…?」
「えっと、詳しくは戻ったら話すけど、シルバーくんがロケット団を足止めしてくれていて、私たちも一緒に戦ったの!」
「!」
「うん、すごい人数だったけど、グリーンがヒビキくんたちを呼んでくれたおかげでどうにかなったよ」
なんで無言なのに話が通じてんだよ。
「しかも幹部っぽい人に勝っちゃった!」
「やるな!お手柄じゃねーか!」
頭なんか撫でて、またあいつらは人前でイチャつき始める。
レッドとグリーン。どちらもカントーの頂点に立ち、名実共に優秀な世界トップクラスのトレーナー。
ウジウジメソメソなあいつの肩を持つ気はカケラもないが、リーフも含め、あんなヤツらが幼馴染で、あのレベルが当たり前の環境ならば、そりゃあ簡単に自信なんか持てないよな、とは思う。
まぁ、強くなりたい理由なんて人それぞれだ。オレは必要以上に関わらないし、あいつの事情なんて知ったこっちゃない。