第10章 親子のカタチ
「仲間を増やし、そしてそれを取り仕切るリーダーの存在は、互いに無いもの、欠点を補い合う点において非常に有効だ。だから今、こうしてロケット団は再び強大な組織になろうとしている!」
オヤジはくどくどと、オレにとっては不必要な情報でしかない教えを説き始めた。
「組織は人が集まることでより強固になる。国を作るのは王だけでは不可能。組織だって同じだ。今にお前もそれをわかる時がくる」
「オヤジが不在だった頃、ロケット団は何もできなかった。結局指導者がいなければ数が集まったってお前らは無力。それに、子供ひとりに負けて逃げたのはオヤジじゃないか!」
「あれはわたしなりのけじめだったのだ。部下たちはわたしの帰りを待ってくれていた。だからこうしてまた、ロケット団を再始動させた!今度こそ世界を手に入れるために…!」
「なら今度はそれをオレがぶっ壊すまでだ!」
オヤジが消えたあの日オレは誓ったんだ。
ひとりで強くなってやるって。
あの時のオレを、裏切るわけにはいかないんだよ!
「ホウオウ!もう一度じしんで追い討ちをかけるぞ!」
ホウオウが攻撃の構えを取った刹那、言いようのない不安が背を走った。
ふと視界の端に、余裕げなオヤジの笑みが映る。