第3章 Ever green!②
つい変なことを口走ってしまった。
言った後に後悔してももう取り消せない。
めんどくさい自分は隠したかった。
こんなこと話している場合じゃないのに。
せっかくピジョットが私たちを一生懸命ここまで連れてきてくれたのに。
「ごめん」と告げて腕の中から出ようとすると、更に腕の力が強まり痛いほど抱きしめられる。
「くるしぃっ」
グリーンが耳元に口を寄せる。
「そんなに知りたいなら、今、分からせてやるよ」
腕の拘束が緩まったかと思うと、顎に指をかけられ上を向かされる。
「あのっ、グリーン!?」
「知りたいんだろ?オレがどう思ってるか」
いつの間にか腰に手を回され逃げられない体勢になっている。
まさか、こんな、予選中にファーストキスとか、もしモニター中継されていたらどうなってしまうのだろうか。
「安心しろ。ここにロトムはいねーから」
「そういう問題じゃなくて、ま、待って!」
「じっとしてろ」
吸い込まれるように見つめられ、唇が重なり合いそうになったところで、ふに、とグリーンの指先が私の唇をなぞった。
「これは妹にはしない。分かったか?」
「は、はい…」
グリーンは頬を赤く染め、満足げに微笑んだ。