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【ポケモン】パシオで恋して

第10章 親子のカタチ


サカキがいるのなら、バックに控えているロケット団もいるはず。この圧倒的不利な状況をどうすべきか考え、グリーンに伝えるのが最善だと判断した。

ポリゴンフォンをポケットから出したタイミングで、ちょうど電話の受信音が鳴り響き、急いで電話に出た。

「ナナ!そっちの状況はどうなった?」

「グリーンよかった!今ちょうど連絡しようとしてたの!」

早口で居場所を教え、ゲーチスはやはりNを騙していたこと、サカキとグルだったことを伝える。

「やっぱりか。すぐ向かいたいんだけどよ、今パシオのあちこちでロケット団の暴動が起きてその対応に追われてる!恐らくオレ達の戦力を分断するためだ」

用意周到で狡猾なロケット団らしい戦略だ。

「今、ゼクロムが捕らえられて、シルバーくんがサカキと戦ってくれているの。私も戦闘に戻るけど、頑張るけど、でもっ」

ポリゴンフォンを持つ手が震えた。

「しっかりしろ!オレとレッドはそこから遠いエリアにいるから、合流するまでちと時間がかかる!近場にいるトレーナーに援護を頼んでおくから、それまで持ち堪えてくれ!」

「わかった!グリーンたちも気をつけて!」

通話を終え、急いで戦況を確認すると、ホウオウはミュウツーに追い詰められ疲弊しきっていた。繰り返すじこさいせいでなんとか体力を保てているものの、体力を維持するだけで攻めに回ることができずにいる。

援護に回ろうとサンダースに戦闘準備をさせたところで、シルバーくんが私を止めた。

「手を出すな!お前はゼクロムを解放しろ!」

「でもっ、このままじゃ…!」

「いい!オレひとりで!」

「フッ、無駄なあがきをしている間に終わりだ。2匹ともな」

サカキが指を鳴らした次の瞬間、ミュウツーの全身がまばゆい光に包まれる。あまりの眩しさに、思わず目をぎゅっと閉じた。

光が静まり、ゆっくりと目を開けたその先に立っていたのは、先ほどまでの姿とはまるで違うミュウツーだった。

「メガシンカだ。果たしてこれに耐えられるかな?」

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