第9章 ※チームメイト
「バッジ5種類獲得おめでとうございます!ナナさん、シルバーさん、Nさんのチームは、見事本戦出場権獲得となります!本戦の開会式は3日後の10時、メインアリーナで開催します。ご参加お待ちしてますね!」
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受付でエントリーを済ませた頃には夜になっていた。セントラルシティは、日が落ちても変わらず賑わっている。
「余裕で間に合ったな」
「ふたりのおかげだよ〜!ありがとう!」
「ボクも力になれてよかった」
いつもならここで解散だけど、せっかくならお祝いでもしたい気分だ。
でも、シルバーくんもNさんも忙しいかな。
ごはんに誘いたいけど、誘ってもどうせ断られる?いやでも、せっかくだから声かけてみる?
と、いつもの悪い癖が出たところで、勇気を出して誘うかどうか運試しをしてみることにした。
シルバーくんと目が合ったら誘う、Nさんなら誘わない。果たして、最初に目が合うのはどっちだ!
ドキドキしながら、こっそりふたりの顔を交互にチラチラと眺める。
「ナナ?キョロキョロしてどうしたんだい?」
結果は、Nさん。「誘わない」に決まった。
「え?あ、街を眺めてました!あのお店いいなーって」
と、その場しのぎに指差したお店はレストランだった。
「お腹が空いたのかい?そういえばもう夜だね」
「オレは帰る。あんたらは好きにしろ」
いつものように背を向けるシルバーくん。必要以上にプライベートで関わらない、シルバーくんらしい反応。
予選をくぐり抜け、少しは仲良くなれたかと思ってたけど、まだ打ち解けられていないみたいだ。
「あの、シルバーく——」
名前を呼んだタイミングでポリゴンフォンが鳴った。
グリーンからだ。