• テキストサイズ

【ポケモン】パシオで恋して

第9章 ※チームメイト



その名を口にするのを一瞬ためらいつつ、思い切って聞いてみる。

「シルバーくん、ジムリーダーがサカキだったこと知ってるの?」

「ああ」

「もしかして、ジョウトだと思ってたけどカントー出身?」

「トキワシティだ」

「え!?」

ヒビキくんたちはジョウトと言っていたから、てっきりシルバーくんも同じだと思っていた。

「私よくトキワシティ遊び行ってたよ!ってことは実は会ったことあるのかな?トキワの森とかで!」

「さあな」

「さあなって…」

虚空を見つめたまま、シルバーくんはほんのわずかだけ眉をひそめる。

「8歳の頃、オヤジが突然いなくなってからすぐに、オレもトキワシティを離れたからな」

「突然いなくなったって…そんな…っ」

胸の奥を抉られたような心地だ。

壮絶な過去をまるで当たり前のように淡々と語るシルバーくんの姿が、余計に私の中の悲しみを増長させる。

急に親がいなくなるなんて平気なわけがない。辛かったはずだ。

それなのに、シルバーくんは全てを悟ったかのように落ち着いていて、私よりずっと大人びて見えた。

「シルバー、キミは……」

Nさんも、それ以上は言葉にせず口ごもる。

会話の中に垣間見える真実。

年齢的に逆算しても、ロケット団の壊滅・ジムリーダー失踪と、シルバーくんの父親をどうしても重ねてしまう。

/ 452ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp